「正源寺」が竣工しました!
当社が設計・監理をさせて頂いた「正源寺」が竣工しました。
「正源寺」は富山市内に古くからある浄土真宗本願寺派のお寺です。
お寺と庫裏の改築のご依頼でした。
外観は、一見お寺と感じないようなモダンなイメージとしました。
敷地めいっぱいに建物を計画したので、まちなかの住宅地になじむように、お寺部分はボリュームを抑え、3階部分は圧迫感のない白い外壁を採用してファサードを構成しています。
エントランスを中央にとり、お寺と庫裏へのアプローチ空間を設けました。
アプローチはお寺へ入る「引き」の空間をつくり、本堂の空間に広がりを与えるように設計しています。
今回は趣が大きく異なる本堂、庫裏の2種類の用途があるので、その場に適した木材を丁寧に選定して設計を行いました。
本堂は内陣、外陣ともに柱や内法材は富山県の御堂建築で良く見られる米ヒバ材で統一しています。材木の目がまっすぐに通って高貴な印象をつくります。昔の御堂でも使用されていた金箔張りの3枚の欄間と調和がとれた空間となっています。
本堂横の座敷は同じく既存の欄間(杉生地)を再利用する関係から富山県産スギ材で纏めています。
畳床を採用したことで、「行」の雰囲気が感じられる座敷に仕上がっています。
住職ご家族の住居部分にあたる庫裏は、入口枠や窓額縁等を細く、しなやかに作りたかったので杉よりも堅くて加工がしやすい米ツガ材で纏めています。
幅の大きな枠材もムク材を繋いで使用したので、集成材では感じられない温かみが生まれています。
庫裏についてもお施主様と細かく打合せを重ねて、材料1つずつからこだわり、設計させて頂きました。ひとつひとつに思い入れのある空間ができました。
先日、完成記念の落慶法要が行われ、出席させて頂きました。お施主様からは住民の方々や檀家さんからたくさんお褒めの言葉を頂くとお聞きして、設計者としてとても喜ばしい限りです。
※「正源寺」の詳細についてはWORKSからもご覧いただけます。